自転車を新調した。
“うわっ 軽い!こんなに軽快に走るんだ、自転車って!!今までのとは一体どこが違うのだろう”
自転車屋さんに引き取ってもらった古い自転車は、風太を乗せてあちこち行っていた。
風太の細長い前足がかごの網目に入って抜けなくなり、買った所へそのままで行って、網目を切って救い出してもらったことを思い出す。
次の日、さっそく前かごにカバーを付け、前足を乗せる部分にはスポンジを入れて厚みとクッション製を考慮した。
何事にも工夫とこだわりを欠かさぬヒトだ。風太第一のその頃は、仕事の時以外はどこへ行くにも連れて行った。
風太の方もよくわかっていて、仕事の日はおとなしくあきらめる。それ以外は“ボクも行くヨ”という顔をして、私達について歩いた。だまして置いて行こうとした時、玄関のドアに体当たりして抗議された。
古い自転車、長い間ありがとう。
新しい自転車は23インチで「ギアが大きいので軽いですヨ」と店のスタッフが言った通り、スイスイ走る。非力な私でもヨイショヨイショと漕がなくてよい。どこまでも走って行ける気がする。
といって、私が自転車で行くところなんてちょっと遠くのスーパーくらいである。転倒を極度に恐れる私は、あっちこっち自転車で走り回ることなど決してない。
痛い目にあうのは絶対イヤなので。
でも、こんなに軽快なら・・・とちょっと心が動いたりする。
(玉麗)