特別教室の手本は、皆さんの要望に基づいて制作する。
今までは花が多かった。
椿、ぼたん、藤、菊、梅などなど。
今回は人物がけっこう多い。
美人画、能の人物、吉祥図、タカラヅカファンの会員からは源氏の君を所望された。バックには朱金の朱雀を配した。
武者絵もある。実はこれが一番手こずった。
日本画のように細部は描き込まないものの、どうなっているのか知っておかねばなければ、かぶとひとつ例にあげてもハテ?となってしまう。
松屋町へ取材に行って見て来たが、写真を撮る訳にはいかないので、脳裡へ焼き付けるのみ。馬上の若武者なので、馬も描き入れる。
人物画、特に吉祥画などは、品格がなければ見る人を納得させることは出来ない。プラスちょっとだけ現代風にアレンジする。
手本が良くないと、皆さんが迷う。省略した部分は、なるべくわかりやすいようにしておく。
やっと若武者を描き終えた。
やや緊張しながらも、凛々しく馬上の人となった少年の初陣を祝う図が出来上がった。
これは展覧会会場で見つけてほしい。もちろん当人にはお伝えした。
(玉麗)