美容院嫌いの冒険

私は美容院が苦手です。

 

①ずっと座っているのがつらい(退屈)

②刃物を持っているので怖い

③たいてい思い通りにはならない

これが基本3理由です。

 

元々苦手な上に、ちょっと「痛い」とか「えーーーうそー」という出来事があれば、そのお店には行かなくなるので、美容院ジプシーとなりがちです。

 

さて、↑①②③は基本的な苦手理由なのですが、さらに

④予約

という壁もあります。

つまり、「今日行こうかな」と思い立った時に、それが叶わないのが美容院。
うーむ、仕方ないですね。

そして

⑤美容師さんとの相性

も厳しいものです。

最近ではあまり見かけませんが、おしゃべりな美容師さんも中にはいて、リラックスさせようと色々お話してくださるのですが、その状況の私の気持ちを上記の理由をベースに考えると

『椅子に拘束されて動けない状態で、刃物を持った知らない人が何か言いながら、私の髪をいじっている』

という図になります。

 

ある店では、ハサミをよく落とす美容師さんで、カシャーン!と床に落下するたびにドキ!!。

「あ、すいません」と言ってその都度ハサミは変えてくれるのですが、3回くらいは落としていたかと思います。

頼むから、落とさないでくれ!!!

 

ずっと昔10代の頃、外国雑誌に載っていた金髪のボブのモデルさんを見てカッコいい!と思った私は、美容院でこんなふうに切ってください、と伝えると美容師さんは

「あー、それ、いわゆるオカッパですけどねー、いいんすかあ、オカッパで」

と私を見下した(お互いの位置的にもそうなりますが)口調で言ったのを今も覚えています。

何!若造だと思って失敬だろう。

「ボブ」なんて美容師さんもまだ知らない時代。

その数年後にボブカットは、飲食店の定番となったウーロン茶の如く、ヘアスタイル業界を席巻し、不動の地位を獲得して今に至ります。

私に先見の明があったとは言いませんが、もうちょっと柔軟に対応してくれ!

 

こんなふうにあんまり良いイメージがないことが、足が遠のく理由となったのです。

ところが、そんな私が最近ずっと通い続けているお店があるのです。

 

基本3原則の①と②のうち、③に関しては「髪質」「毛量」などその人の個性が出る部分なので、多くの人が仕方ないと諦める要素ではあります。

私は、猫毛でハリもコシもなく、おまけにクセがあり、毛量も少ない。

つまり、非常に扱いにくい髪質なのです。

 

そんなある日、初めて担当になった女性の美容師さんが、私の髪を見て「私の髪と似ています」とおっしゃいました。

美容師さんの髪を見ると、長さは肩くらいで可愛らしく編み込んでいます。

とても素敵だったので、私は気を許して髪の悩みを色々話すと、いろいろ共感してくれてアドバイスもくれました。

その方によると、私の髪は毛量は多くはないが普通で、ただ非常に細くてからまりやすく傷みやすい、外国人の髪質に似ているとのこと。

日本人らしい髪というのは、まっすぐで太くいわゆる剛毛、その強さゆえに美容院ハサミ泣かせなのだそうです。

湿気があるとすぐクセでフニャフニャボサボサとなり、頼りない私の髪からしたら、シャキーン!とした剛毛は憧れの毛質。

でも剛毛の方からしたら、柔毛はいいなあと言われるそうで、

「無いものねだりですね」

とのことでした。

 

はじめて共感してもらえる美容師さんに出会えたことは、とても大きな出来事だったといえます。

さらにわりといつも空いているので、今日・明日といった直近の予約が取りやすいのも私向きです。

ありがたい。

(雪)

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