10月手本「柿とハチ」五変化!

とても秋らしい、10月手本です。非常にシンプル、それだけにごまかしがきかない構図です。元々のお手本は柿とハチのみでボカシもなかったのですが、おまけでいろいろ遊んでみました。

 

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Mさん。これが元々の構図です。葉っぱの勢いがあり素晴らしくイキイキしています。柿の位置が真ん中あたりにきたので、同系色のボカシをまわりにふんわりいれました。優しい、暖かみのある作品になりました。

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Yさん。ちょっと見にくいですがハチがぼやけています。「にじんでしまいました」とのことでしたが、かえってブーンと飛んでいる感じがして私は好きです。こちらには、野菊を添えてみました。柿の位置はちょうど良い感じなので墨で軽く影をつけました。

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Yさん。「柿がごっつくなりました」とのことでしたが、柿のかたちはちょっといびつな方が本物らしくて良いし葉っぱのかたちも良いです。こちらにも野菊をプラスしました。非常にわかりにくいですが、墨の色もみな違うのです。

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Nさん。柿が真ん中あたりの位置にきましたので、今度は野菊を手前に置いてみました。丁寧に描かれていて優しく上品な柿です。同じ素材を使っても構図がかわると雰囲気もまた変わります。

 

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Oさん。「先生、いっぱい添削されて大変でしょう・・」と気を遣って頂きましたので、ちょっと変化球で2色ボカシです。柿のかたちと全体のバランスが非常に良いので、見ていて安定感があります。上部に秋の空をすこし。

 

いかがでしたか?サイズはみな色紙です。柿の輪郭と葉っぱ、枝は墨。柿の色は黄、濃黄、そして朱をほんの少し使いました。彩色をわざとまだらにすることによって、柿の表面のモリモリッとした立体感を出せればokです。朱をたくさん使うと、熟柿になります。柿が食べたくなってきました。