恐怖のイタチ!!(2月手本 雪景色とテン)

2月手本、雪景色が続きます。「テンと雪景色」。使用したのは墨のみ。背景の山付近、墨の濃淡の具合によって晴れてるようにも曇天にも変化をつけることができます。

テンは、イタチ科の動物で、オコジョとよく似ていますが、テンのほうが大きく、オコジョは冬毛が真っ白に変わります。

オコジョ、テン、ラッコ、アナグマ、スカンク、カワウソ、ミンク。これらはみなイタチ科の動物です。イタチのなかまは見た目が可愛らしいのですが、実はとても獰猛な性質です。クズリ、ラーテル、ゾリラ。このあたりになると名前からしてちょっと危険な雰囲気が漂います。

それぞれに気が荒いと言われていますが、とくに恐ろしいのがクズリ。見た目はイタチというよりクマに似ていて、かなり獰猛。オオカミ、クマなどがとった獲物をおそろしい声でおどして奪い取ることもあるのだそうです。ヒグマも獲物をすてて逃げ出すのだとか。木のぼりもうまく、自分の3倍以上もあるおおきな獲物を口にくわえてひきずって運ぶほどの怪力。そんな凶暴なクズリは北半球の寒帯地方の森のなかに暮らすそうですので、ふだん襲われることはなさそうでひと安心です。

ラーテルはアフリカからインドにかけて生息します。体つきはアナグマに似てずんぐりとしており、皮があつくてゴムのようなので、毒ヘビにかまれてもハチにさされても平気なのです!馬や牛など自分より大型の動物を攻撃することもあるとのこと。頭胴長60〜77cmの大きさにもかかわらず、よほど自分の強さに自信があるのでしょうか。

そんなラーテルはある生きものとおもしろいタッグを組むそうです。その生きものとは、ミツオシエという鳥。ミツオシエはミツバチの巣を見つけると、大きな鳴き声でラーテルに知らせます。するとその声を聞いたラーテルがやって来てミツバチの巣をこわしてミツをなめます。巣の材料となるミツロウは、ミツオシエがいただく、ということなのです。ミツオシエという名の通りの行動、頭のよい鳥なのですね。なぜミツオシエの声にラーテルが反応するようになったのか、ミツオシエがなぜ凶暴なラーテルを利用しようと考えたのか、動物の世界は不思議です。

 

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テンについては、そんなに恐ろしい記述はありませんでしたので、ほっとしました。こんなに愛らしい姿で、なごませてくれました。

(イタチのなかまについての説明は、講談社「動物図鑑4 哺乳動物1」より引用させていただきました)