大津絵をリクエストされて、手本にした。
私の絵はたいていクソ真面目で面白みに欠ける。
時折は、今回の絵のようなシャレっ気のあるものを描いて、みんなで楽しむのも一興だ。
今日Tさんは、思いっきり愉快な鬼(雷さま)を描いてくれた。
太鼓をタンバリンと言って、娘を喜ばせていた。

大津絵はそのほとんどが、今で言うところの「作画崩壊」的な絵である。
作者は画家でも絵師でもないから、顔が崩れていようが、手足の長さがチグハグであろうが、お構いナシ。
けれども、とにかく枚数だけはこなしているので、職人技の妙に溢れている。
同じ絵を何度も描くことに抵抗感を覚える人がいるが、ひとつのテーマを繰り返し描くことで、絵は必ず上達する。
独創的な絵を描くのは、次のステップなのだ。
今までの全ての教室で、笑いが沸き起こった。
大津絵は健康のためにももってこいの、素晴らしいモデルであることに気付いた。
リクエストして下さったMさんに感謝します。
デッサンのしっかりした整った絵は、品格が高い。
見た目に美しく、いつの世にも受け入れられる普遍性が備わっている。
私は崇高な玉雲先生の絵に憧れて、頂点を目指して頑張ってきた。
今、何合目ぐらいに居るのか、自分での判断は難しいが、
「玉麗先生の絵が大好きです」
と言って下さる方がいる限り、登ってきた道は間違っていなかった、と思う。
けれども、一方で、面白味のある絵も描きたいと望んでいる。
風太をモデルに『シュルシリーズ』を、ジャンをモデルに『カエルの絵」を手がけ、それはそれでけっこう楽しく描いている。
玉麗会展の折、私達の絵も展示するので、その時発表しようと思っている。
楽しみにしていて下さい。
(玉麗)