M子さんとはもうずいぶん長く会っていなかった。
電話やメールのやり取りがあるので身近にいる感じではあったが、直接会って話をするのはまた格別な楽しさがある。
シティモでランチをし、そのあとお店を見て周り、ちょっとした買い物などもした。
けれども、興味のあるお店が少ないところでは時間を持て余す。
「ブティック・シブヤへ行こうか」
「どこにあるの?その店」
「ウチ」
M子さんと私は同い年、つまりウロウロすると疲れてくる年代。
話は即まとまりバスに乗って「ウチカフェ」へ。
「やっぱり家っていいねェ、喋っても大笑いしても気兼ねないし。お運びはしてもらわれへんけどネ」
暑い時でも熱いお茶が美味しいと好みが合ったので、緑茶を淹れる。
「割れマロングラッセとマカダミアナッツがあるけど、食べる?」
「栗は大好きやけどナッツは歯が悪いからアカンねン」
そんなやりとりをしながら老女(本人たちには自覚ナシ)2人。
「ア、このお茶美味しいネ、どこで買ったン?」
「知覧のお茶、けっこういけるでしょ」
話が弾む。
さて
「ブティックシブヤ 開店しまーす、コレとコレいかがですか?」
体型はちょっと違うけど、着てくれるというM子さん。
「じゃあ、これなんかも・・・」
大きな鏡の前でとっかえひっかえ、ファッションショーって楽しいよねェ。
「もうそろそろ帰らへんと、明日寝込んだら困るから・・・」
3時前には、M子さんがお開きを告げてくれる。
私がめまいを起こした時、点滴の針を抜く役目をしてくれたこともある彼女、友人は皆私の体のことをいつも気遣ってくれる。
じゃあまたこの次に、ありがとうと言い合って、手を振り合った。
(玉麗)