同窓会に出席できなかった私に、よろしくと伝言してくれたTちゃん。
すぐにも電話したかったが、不調の時の声は沈んでいる。
そこで1週間ほど経ってから夜スマホを手にした。
とても喜んでくれて話が盛り上がった。
私がまだこの仕事を始める前、彼女ともう1人の友人が、郷里から大阪へ来てくれた。
八尾の小さな賃貸マンションへはるばる足を運んでくれて、女3人おおいにしゃべった。
この話は前にも書いたことがある。
私はTシャツから当時の一張羅であった綿ニットに着替えて、帰路に着く2人を駅まで送って行った。
その時Tちゃんが言ったのだ。
「見て、あの子のニット光っとるでよ」
「ラメが入っとるンじゃなあ」
もう1人がシゲシゲと見て言う。
Tちゃんは、「やっぱり私らとはセンスが違うナア」
3人とも同じ素材の白いニットを身に付けていた。
きっとその頃流行していたのだろう。
確かに私は他人とはほんの少し違うテイストのものを選んでいた。
それを目ざとく見つけて褒めてくれたTちゃんはエライ!
人は人の言葉で磨かれてゆく。
もちろん傷つきもする。
その話をすると、エ〜〜〜ッもう覚えてないワ〜〜と笑っていた。
子供の頃はあまり目立たないおとなしい性格で、けれども私の記憶の中のTちゃんはいつも笑っていて優しかった。
おとなになって長い間付き合いがなく、久しぶりに会った上記の件の後も機会はなかった。
彼女の身の上にも、私の身辺にもいろいろな事が起き、年月が流れた。
そして最近になってやっとまた話ができるようになってきた。
Tちゃんは話し上手になり、聞き上手でもあった。
一方的に自分のことばかり話す人とは心が通わなくなってくるが、彼女は共感とほんの少しの冗談を添えることも忘れず、私の電話に応じてくれた。
またいつでもかけてきて、と言ってくれた。
ありがとうTちゃん。
また近い日に、元気でね。
(玉麗)