この日は午前5時ちょっと前に起床、6時出発であったが、何しろこの軟弱な体を運ぶのが一苦労で、その上娘は安全運転を心がけているのでスピードは出さない。
トイレ休憩、水分補給おなかが空いた等々・・・。スッ飛ばして行く人達はたぶん3時間もかからないだろうが、私達が到着したのは11時15分。約束時間から15分経過していた。(しょっちゅう帰省していないので、道を間違えたことも原因のひとつ。往復で10時間近く車中で過ごしたことになる。帰って寝込まなかったのが不思議である)
目的は法事であったが、諸事万端終了した為、友人に会ったり、幼稚園・小学校・中学校まで育った学舎の横手の山“赤田山(あかたやま)”に登り、当時の思い出話を娘に話して聞かせたりした。
空が広いでしょう、との住職の言葉が心に残った。秋空は雲ひとつなく晴れて穏やかで、本堂には障子を通して浄土を思わせる光があふれていた。
東側にはなだらかな山の稜線が続き。平和そのものの風景が広がっている。手前の庭には花々が咲き乱れ、大阪城の石もびっくりするような長ーい一枚石のベンチがあった。
鐘撞き堂(かねつきどう)も新築されたとか。撞いてみますか、と言われて娘と交替で1回ずつ撞く。重厚で穏やかな鐘の音がゴォーンと響き渡る。この日に課せられたすべての法要が終了したことを、告げているかのようであった。




(玉麗)