寒い日に

しばらく休んでいた教室、新年の挨拶だけはと思い顔を出しているが、3ツ続くと、うわあ、シンドイ!となってくる。

その割には妙に元気で、動悸は時々激しくなるが、めまいは起きずに今に至っている。

「ハクナマタタ」の霊験灼れいけんあらたかナリか?

寒い日が続き、私はドキドキッとなる心臓に恐れをなしているが、鳥達は日々の食物にありつけなくて困っている。

ベランダの手摺にヒヨのウンチがいっぱいついていた。

何を食べに来たのかとよく観察すると、ナント、菊の花ビラである。
ヒヨは何でも食べるナアと感心する。

彼らはまたやって来る。

菊の花を切り取り、剪定したブーゲンビリアのトゲのある枝を手摺にテープで止めた。

スズメやメジロなら可愛いもンだが、ヒヨのフンは頂けない。
止まったら必ず落としていくのも許せない。

かと言って、ベランダに花が1ツもないのは寂しいものだ。

ヒヨめっ、と毒づきながら、黒い実の入ったフンを取り除き、アルコールティッシュで消毒。
鳥のフンはバイキンが多いと聞くので、用心のため。

そんなことに手間取って外出が遅くなった。
今から、歩いて3,000歩ほどの所に用があって行かねばならない。

急ぎの用でもないのでゆっくり歩いて、道草をしながら行って帰って来た。

道端に虫のいそうなところがあったので、しゃがんでいたら、老婦人が通りがかり
「マア、いつもご苦労様です。ここに黄色い花が咲くの楽しみにしているんですよ」
と声をかけてきた。

「イヤ私はもっと遠くの者で、お花の世話などしていませんよ」
と言ってはいけないのだ、こういう場合。

「イエ、イエ、お花咲くとキレイですよね」
みたいなことを言って立ち上がり、
「では失礼します」
と帰って来た。

この歳になって、やっとそんなことが言えるようになったのだ。

なんとなく声を掛けたい人もいる。
その時、思ってもみなかった答えが返ってきたら、ガッカリするだろう。

私の1日は本日ゆっくりと過ぎて行った。

(玉麗)

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