玉麗のお話「テラとムン ②キャリー」

「ムンちゃん 元気?」

「元気  って今朝話したとこやのに」

「うん、ムンちゃんが病院の予約あるって言うから、
1人で行ってきた、梅田」

「なんか買ったん?」

「キャリー。いいのんあったよ」

「キャリーバッグ?
私にくれるって言うとったヤツは?」

「それな、ムンちゃんが貰ってくれるって言うたから、
新しいの買ってン」

「買う理由が出来たンやね」

「そう、誰かもらってくれへんと、次買われへん」

「軽うて、便利。
バッグじゃないねン。
何も付いとらんただのキャリー、
そやから自分の好きなバッグ乗せられる」

「なんぼやったン?」

「4,000円ちょっと」

「へーッ、安いねェ」

「これから付加価値つけるねン。
使いやすいバッグ乗せて、傘もくっつけられるようにする。
テラ印キャリーバッグにするねン」

「テラさん、ソレ言いたくて電話かけてきた?」

「アハッ、わかった!」

「わかるよ、もう半世紀近いねンで、テラさんとの付き合い」

「うわっ 年バレる」

「おない年やんか」

「でも、ムンちゃんといてると
いつも私の方が年上に見られるよ、損やナア」

「テラさん、黙ってると賢そうに見えるからやろ」

「あんまりしゃべらんようにするワ。
と言いながら・・・
キャリーバッグ出来上がったら、いっぱい言うよ、自慢話」

「ハイハイ、聞きますよ、いくらでも」

(玉麗)

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