そんなに怖くもありませんが、ホラー話を聞いてください。
先日、歯医者で眠ってしまったという話をブログに書いたのですが、歯医者の話は私の「眠気3大ホラー」の1つでした。
今日は2つ目です。
いや、これ以前にもブログに載せたかもしれませんが誰も覚えちゃいないだろうと思うので・・
2つ目の眠気ホラーは、昨日も登場した私が以前勤めていた会社で起こりました。
今会社で眠気と聞いて、「仕事中に眠くなって、机でコクっとなったのだろう・・」
と想像しましたよね。
それは大きなくくりでは正解です。
でも事実はもっと恐ろしいものでした。
各部署の人間構成は、上から部長、副部長、課長、副課長・・などと役職が続きます。
そして下には肩書きのない男性社員、そして私たち女性社員です。
会社というのは、言ってしまえば「そんなことやってるから仕事がちっとも進まないんだ」というような、どうでもいい会議とかどうでもいい雑務が山のようにあるものです。
その1つだったのかもしれませんが、部署内のヒアリングというどうでもいい雑務があって、課長が部署内の1人1人と話をして、なんか忘れましたが何かを伝える、というような本当にどうでもいい時間がありました。
そんなことより、検印の書類がたまってるねん、とか皆ブーブー言いながら、でも査定に響くので仕方なく面談をしていました。
課長も気の毒です。
課長だって仕事がいっぱいたまってるのに、1人1人と話をしなければならず、しかも悪者呼ばわり。
一方で、私たち女性社員は肩書きも昇進も無縁なので、至って気楽に、構えていました。
どんなミーティングだろう、難しいこと言われてもわからないけどな・・・・と思いつつ、順番が来たので会議室に向かいました。
割と広めの会議室に課長と向き合います。
「ではこのナントカの書類を読み上げるんで、聞いて確認してください」
はい、と言って同じ書類を手渡されて数分後。
「あのー・・・ 」
誰かの遠慮がちな囁き声が聞こえます。
「えー・・っと・・・もう少しなのでえ・・・」
え?あ、はい。
「えー、もう少しで終わるのでー」
あ?だれ?ああ、はい。
「もう少し頑張ってくれるかなー」
あ、ああ!はい!
大きく船をこいでいた私は、はっ!と目を覚ましました。
ずっと遠慮がちに語りかけていたのは、目の前にいる課長その人でした。
私は課長の目の前でガクンガクンと頭をノックさせながら、起きては寝て、起きては寝て、を繰り返していました。
思えばコワモテの顔ながら、優しくて人のいい課長でした。
思えばコワモテの顔ながら、声もソフトで優しい口調だったのです。
まるで絵本を読み聞かせてくれる母親のように、どうでもいい書類を朗読してくれていたことでしょう。
私はすっかり心地良くなりあっという間に眠りについたのでしょう。
優しい課長は、全く怒らず「頑張って」と私を励まし続けてくれていたのでした。
本当に良い部署でしたね・・
やはりホラーではなかったですね。
(雪)