私の守護神は観音さまであって欲しいと思っているが、絵を描き始めると毘沙門天が背後に立つ。
決して後退を許さぬこの戦の神が、私を前へ前へと駆り立てる。
あの、七福神の中で唯一笑っていない神さまだ。
ただ今制作中。
下図を作っている段階で資料が必要になって本棚を探したがない。
もしやと思って電話する。
娘が、仕事の合間に勉強しようと思って持ち出していた。
ナヌッと怒る毘沙門天、慌てて観音が登場し、マアマアとしずめる。
雷の神は登場しなかったが、持ち出す時は一言声を掛けよ、 と戦の神はのたまった。
下図制作中の絵は10号。
久し振りの大作である。
構図がコロコロ変わる。
こっちがいいか、いややっぱりこうした方が・・・となかなか決まらない。
だいたいのイメージは出来上っているが、細部に取りかかっているので悩んでいる。
Kさんに依頼を受けた絵だ。
カッコ良く、そしてファンタジーなものに仕上げたい。
迷わず進め!!と毘沙門天のゲキが飛ぶ。
私は今までこうやって進んで来たんだなあ、と改めて思う。
この神を崇拝していたのは上杉謙信だった。
私は神を祀るヒトではないが、絵の制作が始まるといつの間にやらこの神に、シッタゲキレイされるようになってしまった。
神の力はスゴイ。
(玉麗)