髪の長さは、本人より周囲の人達がより気にかけるもののようだ。
新聞の「朝の詩(うた)」欄で、
『ばあばの髪が伸びて女の子になった。それまでは男の人みたいだったからうれしい』
との小学生の詩が載っていた。
何とも微笑ましい、いい詩であった。
なるほど、男の子ってこんな風に感じるのだナアととても新鮮であった。
私にもし孫がいたら、その子も私のヘアスタイルを見て、
「ばあばはなんであんなに髪を短く切るのだろう、おじさんみたいじゃないか」
なんて思うのか。
孫の代わりに娘が言う。
「ちっちゃいオッサン」と。
いやしかし、この呼称はけっこう気に入っている。
今日美容院へ行った。
いつもの所ではなく近所で、「ショートヘア得意です」と書いた看板を見つけたからだ。
その店では、手指の消毒・検温のあと、書ける所だけお願いします、といろいろ書かれた用紙を渡された。
髪に関する悩み等を記入する。
どのようなヘアスタイルが好みかとの欄に、私は迷わず男性的なショートヘアと書いた。
刈り上げベリーショート、このスタイルをこのところずっと続けている。
冬でもスッキリ刈り上げる。
店のスタッフは、私の望み通りスッキリパッキリ仕上げてくれた。
件の孫がいたら嘆くであろうナアと、ちょっとおかしくなる。
(玉麗)