アオスジアゲハはクスノキに産卵する。
森や神社の周辺でアオスジチョウを見かけるのは、幼虫の食草となる木が多いからだ。
わが家の近辺にはクスノキがけっこうある。
敷地内にも植えられているので、このチョウを時々見かけることがある。
名の通り、鮮やかなアオ(緑青に近い)の線が入っている。
ナミアゲハとは違った飛び方をする。
どちらかといえば、オオムラサキに近い。
ちょうちょはヒラヒラのイメージがあるが、彼らは空中を滑るように飛んでいる。
羽を支える筋肉のつき方が違うのだろうと思う。
アオスジアゲハの幼虫を初めて見つけて、喜んで家に連れ帰ったが、食事となるクスノキの確保など考えると、これは元に戻してやった方が良いと判断し、大きな木の枝にくっつけてきた。
その後の様子は葉が茂っているのでわからない。
その子がいた幼木にまた2ツ幼虫を見つけ、通るたびに声かけしていたが、先日いなくなった。
2匹同時なので、きっと鳥に捕食されたのだろう。
ナミアゲハの幼虫もベランダに置いておくと、すぐいなくなる。
大量に卵が孵化した時ならともかく、彼らが自然のままでチョウに羽化できる確率は非常に低い。
保護してやらないと、どんどん数は減ってゆく。
いくつかの事情が重なって、わが家ではチョウを羽化させることを諦めた。
アオスジアゲハの幼虫がどのように育っていくのか見たかったが、彼らを飼育するには食事の確保という難問がある。
蝶太郎さんのような特殊な例は滅多にあるものではない。
娘が羨ましがるのも、むべなるかなである。
(玉麗)