1999年、近鉄上本町店で個展を開いた。80点に及ぶ作品が並び、連日大勢の人達が押し寄せた。新聞も3社が取り上げてくれたので、来場者は知人ばかりではなく、見知らぬ一般客の方が多かった。

20年も前のことになるンだと、時の流れの早さに驚いている。なぜ、唐突にこんなことを書いたかというと、今日雨が降っているからだ。雨が記憶を蘇らせたのには違いないのだけれど、それには順番がある。

まず、『雨』。この雨は春を呼び寄せる。

『春』。春について短い詩を作った。

『詩』。2月に降る雨の向こうから、春の女神の足音が聞こえてくるというような、女神の足音と雨をイメージして絵を描いた。

抽象的な絵で、1年を13カ月に区切って13枚出来上がった。詩も絵もアッという間に完成したと覚えている。今もけっこう制作スピードが速いと自負しているが、なにしろ20歳も若い私がそこにいる。

80作品と言えば、誰もが驚く。目まいを起こしながらもこれだけ多くの絵を描き、そしてそれを皆さんが取り合うようにして、求めてくれた。とてもいい時代であった。

今日は1月末日。2月にはなっていないが、この雨はまぎれもなく春を呼ぶ雨。霞むようにしっとりと、かすかに温もりを含んだ、冬の樹々達に芽吹きを促す雨だ。

雨が止んだら少し寒いかもしれないが、わずかな温もりを連れてまた雨が降る。

近鉄上本町店とはその後、縁を頂き今に至っている。娘にバトンタッチし、毎月2回(第1・3月曜日)文化サロンへ赴いている。

(玉麗)

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