今回のレッスンでは、いつもと違って、ドーサ引きの和紙を使っています。
ドーサとは、膠(にかわ)や明礬(みょうばん)から作られたもので、生の和紙の上に処理することによって、墨や絵の具をにじみにくくする効果があります。
ハガキに例えると、一般的な和紙のハガキが、にじむ方。ツルツルとした官製はがきがドーサ引きのにじまない方と思って下さい。いわゆるウォータープルーフ=防水加工といったところです。
生の和紙の上に水を落とすとジュワッと吸い込みます。一方、ドーサ引きの和紙は防水加工済みなので、水が球状になって紙の上にとどまり、ゆっくり時間をかけて乾いて定着していきます。
どちらの紙も、それぞれに良さがあります。今回は、にじまない効果が、ほわんとした可愛い子スズメを表現するのに、一役買っています。いつもと違う描き心地を楽しんでみて下さい。
スズメだけでなく、葦や野菊、筆ボカシの描き方でも全体の印象はずいぶん変わります。こちらは花が小さいのでほのぼのとしたタッチです。
墨の色でもまた違います。茶墨はあたたかみのある感じ。
これは青墨です。さわやかで落ち着いたイメージ。
その日の手本を絵ハガキにもサッと描かれるSさん。小さい作品にするときは絵の具を使うと明るくなります。こんなに可愛らしい作品になりました。
まんまるで可愛い!(一部抜粋)
(雪)