U君が、今日は母の日なのでと持参してくれた
和菓子とお茶。
5月の第2日曜日が教室に当たるので、
彼は毎年何かプレゼントを持って来てくれる。
今年は、お取り寄せで
松本市 藤むらの「れぇずんくっきい」。
六花亭のバターサンドに似ているが、
私としてはこちらの方が好ましい。
当日、参加者は少なかった。
1個ずつ配ろうかとも思ったが、1個がけっこう大きいのと
せっかく私へのプレゼントとして持ってきてくれたのだから
全部出しては・・・と言い訳しながら
半分に切って別のお茶菓子と共に出した。
見るなり娘が、
「わあ、私の代わりに、ありがとう!」
と言ったので、おおいに盛り上がった。
U君、ありがとう。
バターサンドといえば思い出すことがある。
娘がまだ勤めていた頃、出入り業者のお持たせで
バターサンドが届いた。
彼女の大好物である。
部署で配り、残った分は女の子達でとなって、
娘は自分の机の上の箱に入れておいた。
ところが、その大事なお菓子をあろうことか
全部食べてしまったオヤジがいた。
「アッ!ない!!」
箱を開けて呟いた。
(いや、大きな声であったろう)
娘の声に反応して、「オレや」と自主申告したヒト、
X氏である。
みるみるうちに彼女の顔は強張り、
あの大きな目で、X氏を睨みつけると、
「もう!なんで勝手に食べるんですか、
後で食べようって楽しみにしてたのに!!」
そしてこう続いた。
「もうXさんの書類、作ってあげませんからね!」
たかがお菓子ごときで、と言うなかれ。
とにかくブンブンに怒ったのだから、迫力満点。
X氏はやんちゃオヤジだったようなので、
たぶん今までにもこれに似たようなことは多々あったが、
誰も何も言わなかった。
それが、「娘の」バターサンドであったことが、
X氏の悲劇となったのだ。
その後、本当に書類を作ってもらえなくなったX氏は、
触ったこともないパソコンに取り組んで、
何とか使えるようになったと聞いた。
結果として悲劇は喜劇になり、
今や伝説として語られるようになっている。
バターサンドを見るたびに思い出して
笑ってしまう。
(玉麗)