娘はカルチャースクールの講師もしている。
「この頃な、聞き慣れへん講座が増えてるねん」
「ふうん、どんなん?」
「ハナブエってポスター貼ってて・・・」
「へーえ、花笛ってきれいやナァ」
「ちがうねん、鼻、鼻で笛吹くねんて」
ナント!!
最近は口呼吸の人が増えている。鼻を丈夫にして鼻呼吸できるように云々とポスターに書いてあったらしい。とは言っても鼻でなあ・・・想像しながら吹き出してしまった。「何でもアリやったら、こんなんどう?」娘がニマッと笑う時は何かが起きる。
「シ・ブ・ヤ・ユ・キ、109歳!コホコホ、秘伝の筆サバキを伝授するために参った」
―ええっ!?(講座生のけぞる)
「ここにおる玉麗はワシの孫じゃ」(私は付き添いとして登場するらしい)
―ええっ!?じゃあ、いつものゆき先生は・・・?
「同じ名前の玄孫(やしゃご)じゃ! カチ、カチ」
それナニ?「2本残ってる歯が鳴る音」芸が細かい。なにしろ109歳である。口はすぼめてシワだらけ、大きな目は細目にしてショボつかせる。声は2トーン低く、シワぶきなども入れる。時々咳き込む。手はブルブル、頭もフルフル。そこへ風太がやってきた。足がブルブル。何か言おうとする私に、「魔犬じゃ!気にするでない!」
娘の迫真の演技に、あるかなきかの腹筋が激しくケイレンする。つまり私はヒーヒー笑っているのだ。何でも、若作りする人はいっぱいいるから、その逆をいく発想だとか。特殊メイクの講座へ通わねばなるまいか?
(玉麗)