絵心とは何か〜ドラえもん〜

絵心についてもう少し考えてみました。たとえば私自身の場合はどうだろう?

絵が好きだったとか、絵を描くきっかけになったものは何かあるかな・・・

 

・・・ドラえもん。

みんな大好きな、あのドラえもんです。アニメではなくマンガのドラえもんが大好きだった私は、小学生のころ、マンガを見てよく摸写をしていました。のび太の表情やセリフ、コマわりの構図まで記憶してしまうほど、何度も読み返していました。

マンガの摸写は、かなり熱中してつづいていました。(私がプロフィールに“独学”としている所以です)ほかには、鳥山明さんのDr.スランプもお気に入りでした。特別な紙や筆記用具を使ったわけではありません。おそらくふつうのペンやエンピツを使ってノートに描いていたと思います。

藤子不二雄さんの作品ははどれも好きです。あのシンプルな線やタッチ、見やすくて可愛らしくて、しかもデッサンがしっかりしていて丁寧なので、摸写にはうってつけなんです。

私が好んで描いたのは、キャラクター自身だけでなく、風景(木や道路など)や、たとえばのび太が机に座っている様子や、アラレちゃんのコスプレ(鳥山明さんの細かい描写は写すのにすごく時間がかかりました)とか、バイクや家などにまで及びました。

本物のバイクや家を写すのはめんどうだし難しいけれど、マンガの世界ならとっつきやすかったのだと思います。しかも大好きな作品だから、見ているだけで満足、全然飽きないんです。

 

「己 六才より物の形状を写の癖ありて  半百の此より数々画図を顕すといえども  七十年前画く所は実に取るに足るものなし。七十三才にして稍(やや)禽獣虫魚の骨格草木の出生を悟し得たり。故に八十六才にしては益々進み 九十才にして猶(なお)其(その)奥意を極め 一百歳にして正に神妙ならんか 百有十歳にしては一点一格にして生るがごとくならん 。願わくは長寿の君子 予言の妄ならざるを見たまふべし 」

(俺は6歳の頃から絵を描くのが好きで、50の頃には相当の数の絵を描いたが、70歳より前に描いた物はどれも本当につまらんものだったが、73歳の頃には生き物や草木を描くコツが分かってきた。ならば86歳の頃にはさらに上手くなって、90歳の頃には絵の奥義を掴み、100歳の頃には神に近づき、100を越えてから描く点は一つの命を帯びるだろう。長寿の人々は、これが妄言の類じゃない事を見届けてほしいものだ。) 

―葛飾北斎「富嶽百景」(75歳)

 

ちなみに、「図画工作」の授業は、あまり好きではありませんでした。

とくに、彫刻刀が恐ろしかった!もちろん、彫刻刀ばかり使うわけではなくて、絵も描いたのでしょうが・・・。工作が苦手だったので、なんだかすごく楽しくなかった印象があります。いろんなものを作りながら、(なんでこんなものを作らねばならないんだろう)と、苦痛に感じていました。

先生には悪いけれど、小学生のときにはたしか途中で投げ出してちゃんと最後まで作らないこともありましたね。(マイペースといえば良いほうで、単なるワガママです)先生に怒られなかったのかな?

たまに出る自由課題に対しては、わりとときめいて作っていました。ひとつ覚えているのは、小学生のころ。切り絵っぽい工作の図案を決めたとき。私は、家にあった花札のなかから、一枚をテーマに選びました。それは・・・・・

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梅に鶯(10点札ですが役はなかったように思います)

このときの名残かどうかはわかりませんが、花札は(ゲームをすることはないのですが)今でもカード自体が好きなんです。子供のころわかっていませんでしたが、四季をあらわす風物が描かれていてとても美しい。このデザインは秀逸だと思います!

 

ところで、最近のマンガ家の技術は格段に進歩していてCGみたいにリアルな絵もよく見かけますが、あくまでも私の好みの原典は、ドラえもん。 ドラえも〜ん!また読みたくなってきました。