姥ざかり

田辺聖子「姥ざかり」を読む。
目が悪いのにいいんかいなと思いつつ、
目薬をさしながら。

まあまだ活字なら何とか読める。
これが直筆の手紙となると、
もうほとんど形がわからない。
仕方ないから娘に音読してもらう。

よって、私にラブレターを書こうと
画策している人(いないだろうけど)、
そのつもりでいて欲しい。

昭和59年初版であるから、
30年以上前のものだ。

風俗などは少しばかり古いものの、
おもしろさにおいては一級で、
歌子さんの痛快ぶりに口許がゆるむ。

歌子さんは76歳の元船場のごりょんさん。
今はマンションで1人暮らしを楽しんでいる。

主人公の感情移入できるのは、ほんの少しでも
自分に似た所があればこそ。
歌子さんの日々は私とちょっと似ていたり、
思考がやや似ていたり、
考え方に納得できる所も多々ある。
9章から成っているので、
目をいたわりつつ1章ずつ読んだ。

ハズキルーペをUさんと体験したことがあるが、
確かに大きく見えていいんだけれど、
ちょっと横を見たりするとクラっとした。

ア、これはダメやネとなってしまったが、
買って手許にあればそのうち慣れるだろう。

歌子さんの時代は
年寄りが若いもんに遠慮していた。
だからこそこんなお話が出来上がった。

30年以上経って、今老人は
遠慮などしていない。
といって、若い人達が慎み深いかというと
そうでもない。

今の世は皆自分を大切に生きている。
“自分が世界の中心” 的な人が
ずいぶん多い。

歌子さんがもし生きていたら、110歳くらい。
ア、これはもう書けませんワ。

(玉麗)

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