椿の宮へ【前編】

真っ赤な大ぶりの花に純白の斑が入った椿、
その名も「ファイヤーダンス」。

日本の椿が西洋に渡り、
カメリアと呼ばれて華麗に変身した。

八重咲きあり、フリルいっぱい、色もあでやか、
とおよそ茶花らしからぬ賑やかな花になって
逆輸入されたものだ。

自身が年を経てみると、
このハデさもマアキレイ!となってくる。
で、“火の舞”が1本、わが家にやってきた。

先日、越木岩神社の椿苗店で買ってきた。
もう1本白い大輪が欲しかったのだけれど、
娘に「またこの次」と言われてやめた。

帰路、車の中で
「これ1本1,000円だった」
と言うと、エエッと驚いた。
確かに安いと思う。
水のやりすぎに気をつけなければ。

 

さて、神社では、
頭を垂れて祝詞(のりと)を聞き、お祓いをして頂いた。
椿まつりの特別な日なので、誰でも参加できる。

拝殿はズラリと椿が飾られ、
宮司さんの冠にも赤い薮椿が。
娘が「よくお似合いで、とてもかわいい!」
と言うと、そんな風に言ってもらったの初めて、
と笑っておられた。

奉納の芸能際があり、
歌、舞、太鼓、笛、フラダンスまであった。

敷地内には、
けんちん汁、焼きそば、ラーメンのお店だけ。
屋台がないので、こじんまりした境内に騒々しさはなく、
近所の人々と氏子との、知る人ぞ知る御神域であった。

私は拝殿は畏れ多いので、と宮司さんにお伝えすると、
どこでも好きな場所に机を置いて下さいとのことで、
大きな木の根方に持参のカーペットを敷いた。

ご神体の方へ向いて拝礼し、イスに座ると、
何が始まるのだろうとワラワラと人が集まって来た。

(玉麗)

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