スズメ、第1弾

ビフォー(添削前)
アフター(添削後)

Kさんの作品。全体にいい感じで、あまり付け加えるところもないのでは?と思いましたがKさん曰く「スズメが、迷子になってよれっとした野良スズメみたいになってしまいました」

可愛い子で、全体の形はバッチリでしたので、スズメクリニック(スズメ院長ゆき)でちょっといじりました。

(ビフォー)このままでも可愛いが、目線が虫を見ていないので、変えてみます
(アフター)虫を見つめる目にチェンジ!キリッとしています!

 

9月2回目手本は、雀と稲穂です。これは第1弾で、10月も第2弾、3弾と雀が続きます。

第1弾の今回は、難易度の高い、墨のみの作品。さらにキュッとかまえた雀の格好も難しそう・・・(以下は玉麗先生の説明より)「雀は、この稲穂から地面に落ちた米をつついていました。そしてふっと上を見上げたら、あ!バッタだ!という瞬間の様子だと思ってください。」

そして、説明はこう続きます。「雀はお米を狙って食べる害鳥と思われていますが、胃の内容物にはお米はほとんど入っておらず、虫が多いそうです。」

 

雀の顔つきはわりと特徴があるので、それを強調すると「雀っぽさ」が表現できます。「きれいに上手に描くこと」と「誰が見ても、あ、雀だとわかるように描くこと」は違います。

細かく描くということは、絵に情報をたくさん入れ込むということ。情報が多いと役に立ちますが、変に説明くさくなってしまうのは「粋」ではありません。

たとえば、書と絵をコラボレーションした作品はよく見られますが、やってはいけないパターンは、絵に描いたものの意味や名称と思われる言葉をそのまま書で添えることです。別に、法律で禁じられているわけではないのだし好きなことを書けばいいのですが、「粋」からは限りなく遠ざかってしまいます。

わかりやすい例では、アジサイの花の絵を描き、横に「紫陽花」と書くようなことです。そういう絵もあるとは思いますが、水墨画ではタブーです。書くのは作者の名前であり、花の名前ではありません。

プレバトという番組で、俳句の夏井先生がよくダメ出しをされているパターンと同じです。「素人がすぐに使いたがる言葉がこれ!」とか言ってバッテンで消されたりしています。間違ってはいないのだけれど、名人になるには安易な言葉を多用するのではなく、もっとさりげなく、「粋」な表現をしなくてはならないということだと思います。

ちなみに俳句は、水墨画との共通点が多いなと感じます。季語を入れるとかもそうです。(水墨画は本来、四季を感じるものをテーマに描きます)

情報は「できるだけ少なく」(描きこみすぎない:俳句も、限られた文字数で表現する)、でもその限られた情報が「とても重要」(ものの特徴を鋭くとらえる)であることが求められます。

今日は真面目になりましたが、たまにはいいですね。

(雪)

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