延々と、ルリマツリ(後編)(+動画ツユクサ)

(*本日の動画は、記事の最後にあります)

ルリマツリについて、多くは知らない。まだほんの3年余の付き合いゆえ。

かの花が種をつけるかどうかさえも知ってはいない。花が終わるとすぐ切ってしまうので、確認さえしていない。

彼らはどうやって子孫を増やすのだろうかと考えてみた。
それは非常に哲学的な?ことで、それには私の性格なども深く関わっていた。

 

ルリマツリが増殖する。実はそう難しいことでもなかったのだ。

実をつけて鳥に運ばせることでもなく、種を飛ばせる技術の習得も必要ない。

1人の、色彩と深い関わりを持つ人間の心を捉えることで、易々と可能になることを、あるルリマツリは知ってしまった。

そのルリマツリは、花屋に1本だけ残っていた。さほど美しいものではなかったが、それを手に入れた人がいた。

陽光と水と肥料を存分に与えられ、件のルリマツリは覚醒した。

深く淡く重なり合う花びら、花の青は細長い花柄(かへい)にまで到達し、透き通るような青は瑠璃色と呼ばれることを当然としている。

そうなのだ。
わが家にやってきたルリマツリは、私の寵愛を欲しいままにし、私の脳ミソをコントロールするようになった。

「この美しい花を増やそう」
と思う心に火を点けたのだ。

ルリマツリは挿し木され、その苗はことごとく根を下ろし、友人知人達に配られた。

かくて、ルリマツリは自ら手を下すことなく増殖に成功した。

青い炎を点す限り、この居心地の良い空間から追放されることはない。

(玉麗)

「水墨画3分ムービー:100回シリーズ」
第5回は「ツユクサ」です。(1分59秒 音あり)

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