2016年の干支 親子猿

11月手本番外編。毎年恒例の、干支作品です。なぜ番外編で恒例なのか?

大阪の八尾市に「桃林堂」という老舗の和菓子屋さんがあり、お正月用に干支の絵のついた麩菓子を販売されるのですが、玉麗がそのデザインをまかされているのです。デザインといっても、原画を制作しその絵をもとに菓子職人さんが絵つけをされるそうです。おかげさまで毎年好評とのこと。

そのデザインがとても愛らしいため、記念に番外編としてお手本に登場するというわけです。このような細かい絵(とくに人物や動物)は、デッサンが狂ってしまうと可愛らしさが損なわれてしまうので、下図がありそれをもとに制作します。

ですから人によって大きく絵が変わってしまうということはありませんが、顔の表情など少しの違いで雰囲気はずいぶん変わります。梅の枝にぶらさがる子猿と「おりておいで」と手をさしのべるお母さん猿。

上部に描く梅の木もポイントです。太い幹を描く場合は、筆先ではなく筆の腹を使って渇筆(かっぴつ:筆の水分を少なめに、墨がかすれるように描く運筆)で描きます。起筆が目立たないよう、中央のあたりから左右にはらうように筆を運ぶとうまくいきます。墨がボテッとならないように注意します。

梅の花はチマチマと小さく描かずに大きめに。この場合、猿との大きさの対比は無視します。大きな花のほうが華やかです。お正月ですから、少々派手に色鮮やかにいきましょう。

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お母さん猿の足元に、こぼれ梅を散らしました。

 

 

桃林堂のお正月用麩菓子は、予約されると確実です。この親子の猿がどんなお菓子に変身するのでしょうか?

 

桃林堂 陌草園(とうりんどう ひゃくそうえん)