円光寺へ 前編

讃岐山脈と四国山脈に囲まれた平野の、やや山よりに円光寺は在る。88カ所の札所ではないので人の行き来は少ないものの、11年前に絵を奉納した時は、古いままだった個所がすべて改修され、庭も整い、風格のある寺になってきた。

住職は当時初々しさを残した美僧であったが、今や堂々たる体躯の壮年になり、その立派な体を通して響く読経はまことに有り難く、朗々と私達の頭上を巡って天井の龍のもとに届いていた。

龍は金色(こんじき)のまなこを私達にそそぎ、天空の子供達(亡くなったすべての人々)を守る意志を力強く伝えていた。

先日、私の友人が引率して30人ほどの団体が、天井画と襖絵の拝観に訪れたとのこと。さらに翌日、30人のうちの1人が15人を連れて行ってくれたことを、住職から伝え聞いた。

そして近年、小学校から毎年子供達が遠足としてこの寺に足を運んでくれるらしい。

「絵の中に子供は何人いたでしょう。77人・100人・108人」

どれかを選ぶクイズまであるという。

3年生〜6年生の児童たちで、6年生にもなると「お寺だから108人じゃないか」とか「ラッキーセブンが2つで77人だ」とか推理する。

教えたらすぐわかることだが、彼らは本堂の前から、開け放たれた内部を見るだけなので、犬や猫、カラフルな鳥が描かれていることもよくは見えない。中へ入って下さい、と住職は薦めてくれるそうだが、何かアクシデントがあってはとの配慮からだろう。

作者としては、その中の1人ぐらいは再度保護者と一緒に来て見てくれることを期待するが、これは願いにすぎない。

円光寺の天井画・襖絵についてはこちらを→「四国八十八ヶ所巡りの際に、ぜひ訪れて欲しい場所があります〜円光寺」

(玉麗)

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