8月手本 短冊2種

(エナガ:Aさんの作品より)

8月2枚目の手本は、短冊2種類です。

エナガとアケビ

「エナガとアケビ」

アケビの実に紫と白群、そのほかはすべて墨を使います。エナガというのは実に可愛い鳥で、雀より小さい手のひらサイズでモフモフしています。特徴としてはポチッと小さな目とくちばしです。まるっこいボディなのですが、この手本は、横を向いているエナガを背中から見たアングルなのでちょっと難しいです。

アケビは、葉が3枚と5枚の種類があり、少しかたちが違います。手本は3葉アケビです。アケビは漢字で「木通」と書きます。ツル性の植物で、ツルが利尿作用があるため、「通りのよい木である」ということが漢字の由来だそうです。実を食べたことがありますがほんのりあまく不思議なビジュアルでした。

ツリガネニンジン

「ツリガネニンジン」

花は紫と胡粉をまぜた藤色で、キキョウ科というのもうなずけるようなプクッとした可愛いかたちです。ツリガネソウとはまた別の花です。名前の由来は、根っこが、ニンジンのそれと形状が似ているということからだそうです。

この手本の決め手は、花や葉のかたちそのものより、全体のバランスです。茎がまっすぐになりすぎると見た目がかたくなるので、ゆるやかなカーブを描きます。花がいくつかまとまったグループごとにつき、3つのグループが等間隔にならないよう、上から1、2、3とすると1と2は少し接近、3を離すようにすると良いバランスが保てます。ボカシは群青で軽くいれることで、秋の空を表現できます。