料理という字を見ると、学校の理科の時間を思い出すのは私だけでしょうか?「理科」をさかさまにしたような雰囲気です。だからなのか、料理は私にとってはサイエンス。とくに手強いのが、お菓子づくりです。お菓子づくり=科学の実験というふうにもいえるかもしれません。
というわけで、突然ですが、有塩バターから塩を抜く実験を行いました。なぜこうなったかというと、フルーツケーキを作るために材料を買いに行ったのですが、昨今のバター不足(バターお1人1つという表示がありました)のせいもあってか、無塩バターが売場になく・・・
スーパーのはしごをする時間もなかったので、やむをえず有塩バターを購入し、インターネットで塩を抜く方法を検索すると・・・やはりあるものですね。しかもすごくカンタンそうなので、まずはその実験から開始しました。
耐熱容器にバターを入れ、レンジで1分チンする。(ラップをかけないとバターが飛び散ります)
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バターはとけて黄色い液体になるので、しばらくそのまま置いておきます。
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見た目は変わらないようですが、底の方に塩がたまっていきます。(油と塩が分離)
↓(油の部分は、黄色。底にたまった塩の部分は白っぽい色です)
かきまぜないように注意しながら、たまった塩の上に分離した油をすくいます。
↓(すくうのが面倒ですが、がさつに行うと塩がぶわ〜っと舞い上がってくるのでそうっと)
すくった油を置いておくと、少しずつかたまっていきます。
かたまってきた油。
スプーンを入れると、中はまだ液体っぽい。
さらに置いておくと全体に固まってきたので、ボールにうつしました。イメージは、さつまいものきんとんのような感じ。
こちらは残った塩の部分。油の方は味がありませんが、この塩の方は当たり前ですが塩からい。
さきほどの油・・・「今や塩をぬかれて無塩となったバター」に砂糖をまぜて白っぽくなるまでまぜあわせます。この過程がいつも非常に面倒な力仕事。黄色いバターを白くなるまでとは簡単に言ってくれるな、という感じですが、今回のバターはいつもと違う。
固形有塩バター → 液体に(チン) → 塩を抜かれて無塩へ → ふたたび固形になりつつ・・のクリーム状の時点で使用。
ここまでの実験は、順調といっていい進み具合でしたが、私には一抹の不安がありました。色々かたちを変えたバター、実験に使うべき最終形はどのような姿なのだろう?ということです。私は、さつまいもきんとんを思わせるクリーミーな形状の時点でさっさとまぜあわせてしまったのですが・・
お菓子づくりという実験には「塩適宜」のようなあいまいさは厳禁です。ひとつ工程をミスすればそれは失敗につながるのです。しかし、もうまぜちゃった。ここは自分の判断を信じるしかありません。
ビジュアル的には問題はなさそうです。(黒いものは、レーズンです)あとは、オーブンレンジにまかせるのみ・・・
約60分経過。
オーブンレンジから取り出し、竹串をさし、見た目も中身もいつもと変わりない出来映え。
そこで、「実験成功!」と気がはやり、まだ柔らかい本体をあわてて取り出してしまいました。
・・・・・
「踊る大捜査線」で和久さんこといかりや長介さんも言っていました。「逮捕の時は気をつけろ」
私も教室で言います。「最後のボカシはあせらずに。あせると失敗します」
・・・実験は成功だったのか?
お菓子屋さんが出すいわゆるB品(かたちはバラバラですが、味は同じです)に姿を変えてしまった私のフルーツケーキ。(画像はありません)
それをカバーするためのトッピング。左イチゴジャム。右ヨーグルト。(ヨーグルトの方が合いました)今回は一応、成功としておきたいと思います。自分には甘いのです。